● 「アスワンハイダム」
[対象: 校種:全般、学年:全学年・生涯学習、教科:社会・共通]
学情研ネットワーク研究会員の松さんから、エジプト・ナイル川上流アスワン近郊の「アスワンハイダム」の
映像が送られてきました。
アスワンダムは、1898年イギリスが着工し、1902年に完成しました。当初は世界最大規模を誇るダムでした。
空港から市内に向う際に必ず通ります。
1970年、当時のソビエト連邦の協力で、アスワンダムが果たせなかった治水の役割を果たすために、
上流にアスワンハイダムが完成しました。容積はクフ王のピラミッドの92倍にもなる、現代の巨大建造物に
よって上流には人造湖ができました。建設当時のエジプト大統領の名前をとって、ナセル湖と名付けられました。
ナイル川の氾濫はなくなり、農業用水と電力は確保されましたが、多くのヌビアの遺跡が湖底に沈みました。
アガサ・クリスティは、1937年に『ナイルに死す』を発表しました。本は「世界を旅するのが大好きな旧友」に
捧げられています。アガサは実際にエジプトに旅し、ナイル川のクルージングを体験しました。物語ではアスワンから
ワディ・ハルファまで狭い峡谷をカルナク号で航行する様子が描かれています。
蒸気船は、往復7日間の旅に出発します。数時間後、日が暮れ、船は狭い峡谷を遡ります。
両側に黒々とした岩山が迫り、事件を暗示します。
「ここは、草木も生えていない岩ばかり。不気味で、殺風景だわ。
わたしたち、どこに向かってるの?今からなにが起こるの?わたし、こわい」
早川書房『ナイルに死す』(上)より
現代では、「水際にそびえたつ、恐ろしい岩山」の風景は、見られなくなりました。
≪動画・静止画「アスワンハイダム」のHP≫

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(財)学情研メールマガジン 第215号 (2009/11/20 発行)に掲載されました。